【司法書士が解説】遺言書の検認の流れと必要書類
自筆証書遺言を用いた相続手続きを進めるためには、家庭裁判所における検認が法的に義務付けられています。
本記事では、遺言書の検認手続きの具体的な流れや、申立てに必要となる書類について解説します。
自筆証書遺言に必要な検認の役割
家庭裁判所で行う遺言の検認とは、偽造や変造を防止し、発見された時点での状態を公的に保存するための手続きをいいます。
なお検認はあくまで内容を保全するものであり、遺言そのものが法的に有効か無効かを判断するわけではありません。
検認を経ないまま銀行などで名義変更を行おうとしても手続きができない点には注意が必要です。
家庭裁判所における手続きの具体的な流れ
家庭裁判所での検認を行う場合、まず、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して、検認の申立てを行います。
裁判所が申立てを受理すると、相続人全員に対して検認期日が書面で通知されます。
この期日は申立てからおよそ1か月から2か月程度先に設定されることが一般的です。
当日は申立人が遺言書の原本を持参し、出席した相続人の立ち会いのもとで、裁判官が形状や加筆修正の有無や署名などを確認します。
すべての確認が終わると、検認済証明書という書面を遺言書に綴じ込んでもらえます。
この状態になって初めて、不動産の登記変更や預貯金の払い戻しといった具体的な相続手続きに使用可能となります。
検認を行う際に準備すべき必要書類
検認を家庭裁判所に申立てる場合、準備する書類は以下のようなものがあります。
- 被相続人の出生から死亡までのすべての連続した戸籍謄本
- 被相続人の死亡したことがわかる除籍謄本
上記の他にも、相続順位や代襲相続の有無などによって準備すべき書類が追加で必要となることもあります。
2024年3月より、被相続人の直系の相続人は広域交付制度により最寄りの役所でまとめて戸籍を取得することができるようになっています。
ただし、傍系血族である兄弟姉妹が相続人になるケースや代理人による請求では利用できません。
まとめ
自筆証書遺言の検認は偽造防止と状態保存に欠かせない法的手続きです。
勝手に開封せず家庭裁判所の手順に従って正しく進める必要があります。
とくに亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本などの収集は時間と手間がかかる作業です。
自筆証書遺言で遺産分割を行いたい場合には司法書士への相談をおすすめします。

